ただ、アコムの公式ホームページを見ても、詳細な解約の手順は掲載されていません。解約にはメリットもデメリットもあるので確認しておきましょう。
アコムを解約する前に知っておきたい基本の知識
借入残高をゼロにする必要がある
アコムのカードローンを解約しようとしても、残高がゼロになっていない限り自分からは解約できません。解約する前に必ずATMやインターネットの会員ページで残高照会をしておきましょう。
借入残高が1円でも残っていると解約手続きはできません。
ただし、アコムが用意している返済方法のなかには硬貨の取り扱いがないことがあるので、1000円未満の端数の返済には、それに対応した返済方法で完済する必要があります。
端数まで完済できる方法
- インターネット:外出する必要がない・手数料が無料・銀行のネットバンキングを利用する。
- 店頭窓口:担当者に分からないことを相談しながら完済できる・手数料が無料・ただし所在地が限られる。
- 銀行振込:利用している銀行の口座から振込で完済できる・振込手数料がかかる。
上記の3つの方法で完済できます。今までコンビニのATMや口座振替で毎月の返済をしていた人にとっては普段とは違う方法で返済しなければなりません。
毎月の返済をATMや口座振替で行っていた人は、銀行振込が良いでしょう。銀行振込では手数料が110円から220円くらいかかりますが、近くの銀行ATMから返済額を振り込むだけで完済できます。
完済と解約の違い
アコムに限らず、消費者金融業者では完済と解約は同じではありません。完済すれば自動的に解約できるわけではなく、別の手続きとして扱われます。
また、まったく放置していた状態を続けていたのに解約にも完済にもなっていないということがあり得ます。以下のように理解しておきましょう。
- アコムへの返済の必要がなくなった状態のこと。
- 厳密な定義はないが、「1000円未満(999円以下)の返済義務のない借入」が残っている場合は完済ではない。
- アコムとの契約は続いている。
- アコムとの契約を打ち切ること。
- 再び借入するには再審査が必要になる。
この状態は完済したのではなく、まだ契約も続行しています。そのため、ネットバンキングや銀行振込などを使って端数まできっちり返済しておく必要が生じます。
支払当日に借入残高を確認する
アコムの借入を完済するには、必ず「支払当日に借入残高を確認」しましょう。いったん確認だけしておいて、後日支払うという方法では端数まできっちり完済できません。
アコムなどの消費者金融では、利息額は「日割り計算」されます。1日ごとの利息を積み重ねるという方法で利息を付けていくため、1日経つと利息額が変動して完済額も変わります。
完済する当日に利息を確認して、それを1円単位まで返済して初めて完済した状態になります。
【アコムの借入残高を確認する方法】
・会員ページで確認する。
・フリーダイヤルへ電話連絡する。
・アコムや提携金融機関のATMで確認する。
・自動契約機で確認する。
・店頭の窓口で確認する。
利息は午前0時を過ぎた瞬間に加算されます。確認したら、午前0時前に支払を済ませませましょう。また、振込の場合には振込元になる銀行口座の手数料も確認しておく必要があります。
振込元銀行から手数料を加えた額を振込にしないと、手数料を差し引かれた金額がアコムに返済されることになり、数十円単位の残高が残ってしまいます。
アコムの解約方法は3つ
3つの解約方法の受付時間
アコムの解約は、電話・店頭窓口・自動契約機の3つの方法があります。それぞれに受付時間が異なっているので確認しておきましょう。
解約方法 | 受付時間 | 必要書類 |
---|---|---|
電話 | 午前9時~午後6時(土日祝日も可能) | なし |
店頭窓口 | 平日午前9時30分~午後6時 | 本人確認書類・ローンカード |
自動契約機 | 午前8時~午後10時(年中無休) | なし |
自動契約機は午後10時まで営業していますが、解約は午後6時までしか受け付けていないので注意しましょう。
おすすめなのは、電話による手続きです。自宅からでも簡単に手続きが完了します。土日祝日にも対応しているため、曜日を問わず手続き可能です。
ただし、電話連絡で解約する場合にはローンカードは自分で処分する必要があります。個人情報の漏洩に不安があるという場合には、カードの処分を担当者に任せることのできる店頭窓口で解約しましょう。
電話での解約方法
アコムの解約では電話が最も簡単でしょう。担当者と話をしなければならないので気がひけると考える人もいますが、実際には淡々と手続きを進めてくれます。
ただし、これは事前に銀行振込などで完済している必要があります。そのうえで連絡しましょう。
- アコム総合カードローンデスクに電話する。
- 解約したいと伝える。
- 本人確認のため生年月日とアコムのカード番号を伝える。
- アコムのカードを返却する方法を決める(郵送、店頭窓口、自分で処分)。
- カードを返却または処分する。
電話での手続きでは生年月日を伝えることで本人確認をするので、本人確認書類の提出は不要です。もし解約証明書が必要であれば、オペレーターに伝えておきましょう。
店頭窓口での解約方法
非常に数が限られますが、アコムはリアル店舗もいくつか開設しています。実際に店舗に受付の人がいて、目的ごとに担当者がいて対応してくれます。
確認しながら手続きができるため、確実性は最も高い方法と言っていいでしょう。
- 本人確認書類(運転免許証など)を持参してアコムの店頭窓口に行く。
- 対応スタッフに解約したいと伝える。
- 本人確認書類を提示して窓口スタッフの指示に従う。
- アコムカードを返却する。
- 必要に応じて解約証明書の発行を依頼する。
店頭の窓口なら、担当スタッフに確認しながら手続きを進められるので安心感があります。借入残高の清算も同時にできるので、利息を計算しておく必要もありません。
店舗の営業時間は限られているので、閉店間際だと当日中の手続きができないこともあります。その日のうちに解約したいときには、時間に余裕を持って出かけるようにしましょう。
自動契約での解約方法
アコムの自動契約機ですが、これは申し込みと契約を行うための機械であるため、解約の作業を行うことはできません。しかし、自動契約機には備え付けの受話器があり、ここから電話で解約することが可能です。
受話器を使ってオペレーターと相談しながら解約できる点がメリットです。また、自動契約機に併設されているATMには硬貨の取り扱いがあるため、完済して同時に解約することができます。
- 自動契約機に併設されたATMから端数を含めて完済する。
- 自動契約機ブースに入って、画面に表示されている「受付開始」ボタンを押す。
- 画面の指示に従って「お問い合わせ・ご相談」へ進める。
- ブース内に設置されている電話を使って担当者に解約したいと伝える。
この後の手続は電話での解約と同じになります。自動契約機の営業時間は午後6時までですので注意しましょう。
解約証明書が必要なら
アコムの解約証明書が必要なら、手続きをする際に発行を申請しましょう。アコムからの借入をすべて返済し、契約を解除したことを証明する書類です。
必要性を特に感じないという人は不要ですが、以下のような場合には必要となります。
- 住宅ローンなどの大型ローンの契約を結ぶ。
- 家族にアコムの解約を証明する必要がある。
- カードローンやクレジットカードの審査を受ける。
- おまとめローンの手続きをする。
解約証明書は利用者が請求しない限り発行されないので、将来的に他のローンに申し込む予定のある人は必ず解約証明書の発行を申請しましょう。発行には1週間から10日ほどかかりますが、店頭窓口であれば即日で発行してもらえます。
解約するときに担当者から証明書が必要かどうか聞かれますので、忘れずに希望すると申し出ましょう。
解約証明書の発行に必要な条件は以下の3つです。
- 利用者に借入残高がないことをアコムが把握している。
- 解約の申請が利用者本人からあった。
- 解約の手続きがすべて終了している。
アコムを解約するメリット・デメリットは?
メリット
1.他のローン審査に好影響
消費者金融からの借入があると大型のローンの審査に通りにくくなります。アコムの利用は長い間行っていないが完済してから解約の手続きが面倒で放置しているという状態の人は、大型ローンの新規申し込みの前に解約しておきましょう。
消費者金融との契約が残っていることは、住宅ローンの審査ではマイナスにしかなりません。
2.借金生活から抜け出せる
ローンカードがあると、つい「預金がある」と勘違いしてキャッシングしてしまうという人は多いでしょう。そういった生活を続けているうちに最後には債務整理が必要となってしまうこともあります。
どうしてもキャッシングする癖が抜けないという人は、借入残高が返済できる金額であるうちに、思い切って完済して解約までしておきましょう。
デメリット
1.再契約では改めて審査が必要
アコムのカードローンを解約した後から再契約するには、改めて審査を受ける必要があります。再度の申し込みは初回契約者と同じ扱いを受けます。
いったん解約したら、再び申し込みをすると初回申し込みと同様に在籍確認や書類提出などの審査を受けることになります。
審査の結果、返済能力があると認められないと再契約はできません。また、解約した人に対しては、返済実績が良かった人でも初回契約とまったく同じ扱いを受けることになります。
2.いざというときの借入枠がなくなる
アコムのカードローンは契約を続けていても年会費も手数料もかかりません。
自分の経済状況から考えて、将来的にお金が足りなくなるときが来そうだという場合には、いったん完済だけしておいて、解約するのは待ってもいいでしょう。いざというときの借入枠がなくなるのは、結構な不便です。
おすすめなのは、アコムの利用限度額と同じ程度の貯金が貯まった時点で解約するというやり方です。いざというときの貯金があるなら、わざわざ利息を支払って借入する必要はなくなります。
アコムをの解約に関する良くある疑問
アコムの利用履歴はいつまで残る?
アコムを解約した場合、その情報は個人信用情報機関に最長5年間残ります。そのため、他のローンの審査を受けようと考えている人は解約日から最長5年間はアコムの利用履歴が審査の担当者に把握されると覚えておきましょう。
住宅ローンやマイカーローンなどの大型のローンの審査でも、消費者金融業者の審査と同様に信用情報機関に申込者の信用情報を照会します。信用情報にはカードローンの利用履歴が含まれるので、アコムからの借入金額や返済実績などの情報は隠すことができません。
とはいっても、借入残高をゼロにして完済して解約しているケースではアコムの利用履歴が残っていたとしても、悪影響を及ぼすことはありません。他のローンの審査に悪影響が及ぶのは、アコムとの契約中に借入額の返済に遅れたことがある人だけです。
ローンカードの処分の仕方は?
ローンカードは個人情報が豊富に盛り込まれたものです。カード本体に残っている情報だけでも、氏名・有効期限・カードの種類・消費者金融業者の名称が簡単に分かってしまいます。
そのため、ローンカードを自分で処分する際には正しい方法で行いましょう。他人に情報が漏れて悪用につながるケースもあります。
ローンカードは見た目以上に簡単にハサミで裁断できます。とはいえ、ただ真ん中から半分に切断するだけでは不充分です。数回切り刻んでから捨てるようにしましょう。
特に磁気ストライプやICチップの部分は重要な個人情報が含まているので、復元することができないくらいに破壊しておきましょう。プラスチック用のシュレッダーを使うと復元が不可能なほどに細かくなります。
解約証明書を自宅以外で受け取りたい
アコムから解約証明書をもらうのは、基本的に郵送になります。急ぎで必要な場合には店頭で解約すると、その場で発行してもらえます。口座振替で完済した場合にも郵送となります。
この証明書を自宅に送られると困るという人もいるでしょう。そういう場合にもアコムは柔軟に対応してもらえます。郵送物がアコムからと分からないように封筒に工夫してくれたり、勤務先に送ってくれたりといった配慮をしてもらえます。
また、解約証明書の他にも借入のときに作成した契約書も返却してくれます。これも、自宅以外の場所で受け取ることが可能です。
解約のときに必ず「解約証明書はどうしますか」と担当者に聞かれますので、その際に送り先などを相談すると良いでしょう。
まとめ
アコムは解約手続きは非常に簡単に済みます。ただし、完全に借入残高がゼロになっていないと、解約できません。
1000円未満の残高は放置していてもアコムから催促されることがないので注意しましょう。