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年金を担保にお金を借りる!「年金担保貸付制度」の仕組みや手続きの方法をご紹介

お金を借りる様々なサービスがありますが、銀行や消費者金融からお金を借りることが一般的ですが、年金を担保にお金を借りられる「年金担保貸付事業」をご存知でしょうか?

独立行政法人・福祉医療機構という組織が年金担保貸付事業を展開しています。

ここではこの制度に関して詳しく解説していきます。

注意

年金担保貸付制度は、2022年3月末に法改正により廃止になります。これ以降は新規申込は不可能となります。

「年金担保貸付制度」とは?

年金担保貸付制度は、独立行政法人・福祉医療機構が運営している制度で、年金を担保にしてお金を借りることができるサービスです。年金を受給している方のみが対象となります。

金利は2.8%と低く設定されています。融資額は年間年金受給額の80%までとなっており、10万円~200万円が融資範囲となっています。ただ、使用使途が生活必需品の購入である場合上限は80万円までとなります。

本来は年金を担保に融資することは法的に認められていません。しかし、この制度は、日本国民が加入することができる国民年金、厚生年金保険や労働者災害補償保険を担保としてお金を融資することが法律で唯一認められています。

年金担保貸付制度でお金を借りて保健・医療に充てたり、家族の介護・福祉に利用したり、冠婚葬祭に工面したり、生活必需物品の購入、債務の一括整理などをすることができます。

比較的自由に利用できますが、生活費、旅行やレジャーなどの費用に使用することはできません。

年金を担保にお金を借りる際の流れ

年金担保貸付制度の申し込みをする前に、なぜお金を借りたいのかを相談するところから始まります。年金担保貸付制度を担当している福祉医療機構に相談して、納得できる申し込みをすることができると判断したら、そこで申し込みの手続きをすることになります。

年金担保貸付制度を担当しているのは、独立行政法人・福祉医療機構になります。この機関で提供されている制度に申し込みをするときは、独立行政法人・福祉医療機構で発行しているスケジュールに沿って申し込みをするようにしてください。

申し込みの手続きはこの制度を取り扱っている金融機関で申し込みをすることができます。ただし、ゆうちょ銀行や農協、労働金庫など一部の金融機関では取り扱っていません。また、福祉医療機構で提供されている制度ですが、相談受付は行っているものの、申し込み手続きはしていません。

申し込みが完了したら審査が行われます。審査に通ること事ができれば、指定した預金口座へお金が入金されます。

申し込みに必要な書類

年金担保貸付制度の申し込み時に必要な書類として、借入申込書があります。この申込書は取り扱いをしている各金融機関で用意されているので、その申込書に必要事項を記入して提出します。

自分が借りたいと思っている金額に応じて収入印紙が必要になってくるので、申し込みをした際に自分がいくら借りるのかをしっかり伝えて収入印紙が必要なときは準備する必要があります。

次に自分自身の年金支給額を証明する書類を準備しなければいけません。人によって証明する書類は異なりますが、年金振込通知書、国民年金の支払いに関する通知書、年金決定通知書、年金支払い通知書などの書類を準備します。

本人を確認する書類も必要で有効期限内のものを用意する必要があります。運転免許証、身体障碍者手帳、外国人登録証明書、個人番号カード、住民基本台帳カード、パスポートなどを用意する必要があります。

このほかに借りたお金を何に使うのか資金使途が確認できる資料を用意しなければいけません。年金担保貸付制度では保険・医療・介護・福祉・住宅改修・教育などに利用することができますが、自分が借りる資金使途がどのくらい必要かを確認できる資料を準備してください。

年金担保貸付制度の返済の仕方

返済の開始日は、お金を借りた月の翌々月以降の偶数月から始まります。例えば、1月に融資を受けた場合、返済開始日は4月となります。

年金担保貸付制度の返済期間中は、支給される年金を全額、独立行政法人福祉医療機構が受け取って定額返済額を回収し、その残金を顧客の預金口座へ振り込むことになります。つまり、返済額分が減った状態の年金を受け取ることになるのです。

奇数月に支給された年金は返済に使われないので、そのまま全額受け取ることができます。

年金を担保にお金を借りる際に注意する事

制度を使えるのは年金受給者のみ

年金担保貸付制度は、お金に困っている年金受給者のみ利用することができます。年金を受給していない人が、年金の前借りをすることはできません。

融資してもらうまでに時間が掛かる

年金担保貸付制度は、申込から融資までに4週間程かかります。
申し込めばすぐに借りられるわけではないので、急いでいる人や急な出費に対応しなければならない人には、向いていません。

年金受給者を助けるはずが逆に窮地に

生活に困っているから制度を利用しているはずが、逆に負担になってしまうケースが少なくありません。

お金を借りるときは基本的に余裕がない場合です。すでに余裕がない状態でお金を借りると、借りた分の上に利息が上乗せされます。更に、保証人が立てられなかった場合は、信用保証制度を利用する必要があるため、その保証料も払わなくてはなりません。

返済は自動で行われ、貸付条件も1回しか変更できないなど融通が利かない部分があるため、受給できる年金の金額が減ってより苦しい状況に陥ってしまうのです。

2022年3月末に年金担保貸付制度が廃止される

2022年3月末に、年金担保貸付制度と労災年金担保貸付制度の新規申込ができなくなります。ただ、制度が終了するまでなら新規申込は可能です。

すでに利用している方は、返済期間・返済方法共に今まで通りに取り扱われるので、残りの残高を一括返済する必要はありません。

年金担保貸付制度でお金を借りるメリットは少ない

ほとんどの金融機関では、主に年齢的な制限で、年金受給者はお金を借りることはできません。それを補うことができるのが年金担保貸付制度だったわけですが、残念ながら2022年3月で制度が廃止になります。

また、もともとの使い勝手に関しても返済面では融通が利かず、自己破産しても返済が免除されないなどかなりリスクが高いというデメリットもあります。

この制度以外にお金を借りる手段がないのであれば、利用を検討しても良いかもしれませんが、制度の廃止日が近づいている状態で利用するメリットは非常に少ないと言えます。