急な事故などに対応するために多くの人が利用している生命保険ですが、この生命保険ではお金を借りることができるサービスがあるのを知っていますか?
とても便利なサービスだからこそ、ただ毎月掛け金を支払っているだけでなく、使えるサービスは有効に使っていくことが重要になります。
ここでは生命保険のサービスがどのようなものなのかを解説していきます。
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消費者金融や銀行でお金を借りたくない人に朗報!
急な出費などに対応をできない場合に多くの人が銀行や消費者金融などでお金を借りることになりますが、どうしても銀行や消費者金融からお金を借りたくないと思っている人も少なくありません。
そのように思っている人がどのようにお金を借りれば良いかを考えたときに、生命保険を活用してお金を借りる方法があります。
生命保険でお金を借りることができるの?と思われるかもしれませんが、生命保険をうまく活用することで保険会社からお金を借りることができるようになります。
生命保険には、加入していた保険を解約すると、保険会社から解約払戻金が支払われる商品があります。その解約払戻金を担保にして一定の範囲内でお金を融資してもらえる制度を「契約者貸付制度」と言います。
「契約者貸付制度」を利用する
このサービスの正式名称は「契約者貸付制度」と言います。聞きなれない言葉の制度ですが、自分が契約している保険を担保にしてお金を借りることができるという安心感を得られる人も多く、知っている人は利用している制度です。
ただ、すべての生命保険で融資してもらえるわけではありません。契約貸付制度が利用できる生命保険は、終身保険、養老保険、個人年金保険、学資保険などの積立型の保険です。掛捨型の保険では、この制度を利用することができません。
申し込む前に自分が契約している生命保険の内容を確認し、契約貸付制度が利用できるか調べましょう。
契約者貸付制度は低金利で利用可能
契約者貸付制度は融資であるため、金利が設定されています。金利は、保険会社、保険金額、加入時期によって異なりますが、2~8%程度となっています。
一般的なカードローンやキャッシングと比べて、契約者貸付制度のほうが安く設定されています。カードローンやキャッシングほど負担を感じることなく利用することができます。
実際にどれほどの金利が適用されるかは聞いてみない事には分かりません。利用の際は、自分が加入している生命保険でどれだけの金利が適用されるのか確認するようにしてください。
契約者貸付制度で借りられる金額
契約者貸付制度の限度額は、各保険会社によって異なります。一般的に自分が加入している保険の解約返金額に対して60%~90%でお金を借りることができると言われています。解約払戻金を全額借りられるわけではありません。
上限の範囲内であれば何度でも借入が可能なので、カードローンに近い感覚で利用できます。
契約者貸付制度はいつから使える?
契約者貸付制度は、基本的にいつからでも借りることができます。それこそ加入直後から利用可能です。
しかし、解約払戻金が一定金額に達しないと、借入できない場合があります。加入している商品によっては借入下限額、つまり借り入れするために必要な最低金額が設定されています。
その最低金額で借りられるだけの解約払戻金がないと融資してもらうことができません。そのため実際に借りられるのは契約してから数カ月後になります。
借入下限額は保険会社ごとに設定が異なり、中には借入下限額が設定されていないところもあります。こちらも事前に確認するようにしてください。
一方、借りられる期間は保険の満期日までとされています。契約者貸付制度を利用している状態で生命保険が満期に満期保険金を受け取ることになったり、保険を解約して解約払戻金を受け取ることになったり、死亡保険金を受け取ることになったりした場合、元金と利息が差し引かれた金額が支払われます。
契約者貸付制度の利用に審査は必要?
カードローンやキャッシングと違い、契約者貸付制度を利用するときに審査は行われません。解約返戻金を担保にしている、つまり自分で積み立てた保険料を借りるという仕組みであるため、返済能力や信用を確認する必要がないためです。
申し込みの方法は、
- 直接保険会社に出向いて窓口で申し込みをする方法
- インターネットの公式サイトから申し込みをする方法
- 電話から申し込みをする方法
- 郵送で申し込みをする方法
などがあります。
一番早いのはインターネットからの申し込みで、当日から2営業日程で融資が受けられます。郵送でやり取りする場合は1週間程度かかるでしょう。
保険会社によっては専用のカードを発行してくれるところもあり、完全にカードローン感覚で利用することができます。
契約者貸付制度でお金を借りた場合の返済方法
一般的なカードローンやキャッシングは一定額毎月返済していくものですが、契約者貸付制度の場合は必ずしも毎月返済する必要はありません。返済日なども設定されておらず、保険の満期までに全額返済できれば問題ありません。
返済方法は、一括返済、分割返済、不定期返済と自由に返済していくことができます。返済する場合は銀行口座や提携ATMからの振り込み、インターネット決済、保険会社の窓口などから支払うことができます。
しかし、いくら自由に返済できると言っても、借り入れが解約払戻金を超えてしまうと保険が失効されてしまいます。なるべくこまめに返済していくようにしましょう。
生命保険でお金を借りるメリット
生命保険の会社が提供している契約者貸付制度は様々なメリットがあります。
保険を契約したまま利用できる
保険契約を維持したまま契約者貸付制度を利用することができます。保障はそのままでお金を借りることができるので、万が一の事態が発生しても安心できます。
保証人が不要
契約者貸付制度は、自分で積み立てたお金を借りるので保証人は不要です。返済を滞納したまま満期になったり解約したりしても解約払戻金から補填されるので、保証人が必要ないのです。
金利が低い
銀行や消費者金融と比べると契約者貸付制度の利息はとても低く設定されています。保証会社や保険加入時期により変動しますが、大体2%~8%の間で設定されています。
審査が無い
加入している保険に契約者貸付制度が付いていれば、審査などをする必要なくお金を借りることができます。信用情報を調べられることもないので、ブラックの人でも契約者貸付制度を利用してお金を借りることができます。
自由に使える
借りたお金は自由に使うことができます。生活費、趣味、旅行、事業の運営費など、使用使途に制限はありません。
生命保険でお金を借りるデメリット
様々なメリットがある契約者貸付制度ですが、デメリットも少なからずあります。
生命保険に加入していなければ利用できない
契約者貸付制度が利用できる積立型の生命保険に入っていない人は、この制度を利用することができません。
特に、若い世代の人たちは生命保険に加入していない人が多く、入っていたとしても積み立て金額が少なく、お金が借りられないという場合が少なくありません。
たとえ借りられたとしても、少額であるため利便性は薄いでしょう。
利息が増えやすい
返済期限や返済方法、返済金額などが設定されていないため、返済を忘れてしまいやすいというリスクがあります。また、契約者貸付制度の金利の計算は「複利」で行われます。
複利は、元金に対して利息が発生するのではなく、利息を含めた合計金額で利息が計算される方式です。返済をせずにいると、1年後の元金に利息が加算され、そこからさらに利息が計算されます。利息がどんどん増えてしまうので、計画的に返済を行っていく必要があります。
ここ20年以内に保険に加入している場合は金利は比較的低く設定されていますが、バブル期の「お宝保険」加入している場合は金利が高く設定されています。
保険が失効する可能性がある
長期利用で返済せずにいると借入金が解約払戻金を上回ってしまう場合があります。そうなってしまうと保険が失効し、強制的に解約されてしまいます。
保険がなくなってしまうため保証は受けられず、解約払戻金は返済金として補填されてしまうので、受け取ることができなくなります。