幅広い年齢層の人が利用している郵便局は様々なサービスを利用することができる便利な機関です。郵便局は都会だけでなく地方でも全国各地に店舗があるので、場合によっては大手銀行よりも利用価値が高い場合もあります。
郵送事業だけでなく、銀行としての側面も持ち合わせています。何より郵政民営化後に力を入れているのが金融商品のサービスの提供です。
一般的にお金を借りるとなると銀行や消費者金融のサービスを利用する人が多いですが、郵便局でもお金を借りることができます。
ここではお金に困ったときにうまく郵便局やゆうちょ銀行のサービスを利用して、お金の借り方を解説しています。
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郵便局の「貯金担保自動貸付」について
貯金担保自動貸付は、総合口座で管理をしている担保定額貯金や担保定期貯金を担保にしてお金を借りる方法です。本来満期になるまで引き出すことができない自分の定期預金から、普通預金に入っているお金を超過した分の金額を補うことができるということです。
普通預金口座に5万円入っており、7万円の支払いが必要になった場合、超過した2万円が担保にした預金から自動的に普通口座に入金されます。
ATMから出金する場合も、普通預金に入っているお金以上の金額を引き出すときは、担保にした預金からお金を引き出すことになります。
返済する場合は、普通預金口座に入っているお金から自動的に返済されます。返済日までに預金口座に元金と利息分のお金を入金しておきましょう。
貸付の上限金額は預入金額の90%とされており、通帳1冊ごとに最大300万円まで利用することができます。銀行振替や口座引落の場合はそのまま定期預金口座から普通預金口座へ振り込まれます。引き出す時は、ゆうちょ銀行のATMや窓口で、お金を引き出せます。
貯金担保自動貸付金利は、何を担保とするかで少し変わります。利息は1年を365日とする日割計算となっています。
担保定額貯金:返済時の約定金利(%)+0.25%
担保定期貯金:返済時の約定金利(%)+0.5%
貸し付けから返済まですべて自動で行われます。続きに手間がかかってしまう貸付けが多い中で、全ての流れが自動で行われる貯金担保自動貸付はとても便利なサービスです。
しかし、普通預金口座のお金が足りないときに自動で貸し付けてくれるシステムになっているので、キャッシングやカードローンのように自由に使えないという点には注意が必要です。
貯金担保自動貸付の利用に審査は必要ない
貯金担保自動貸付の利用には、ゆうちょ銀行に定額貯金や定期貯金をしていることが条件となります。
普通口座と預金口座があれば誰でもこの貸付サービスを利用することができ、審査も必要ありません。
ゆうちょ銀行のクレジットカードを利用する
ゆうちょ銀行ではJP BANKカードというクレジットカードを発行していて、ATMから現金を引き落とすことができるキャッシング機能を付帯することができます。
- U29 若者向けカード
- ゴールドカード
- 一般カード
3種類のクレジットカードから自分に合ったものを選択することができます。
U29若者向けカード
U29 若者向けカードは高校生を除く満18歳から29歳までの人が対象となるカードです。VISAブランドのALente(アレンテ)とJCBブランドのEXTAGE(エクステージ)があります。条件を満たすと年会費が無料になります。
ポイントが貯まりやすく、特に入会後3カ月は獲得ポイントが3倍になります。ポイント優遇店でカードを利用すれば常に獲得ポイントが上がります。また、海外旅行傷害保険サービスもついており、海外旅行中万が一のことがあっても安心です。
ただし、U29若者向けカードではキャッシュカード一体型のカードを作ることはできません。
ALente(アレンテ)
アレンテは、高校生を除く満18歳から29歳まで継続して利用できる若者向けのクレジットカードです。更新時の年齢が満30歳を超えていた場合は、審査のうえ自動的に一般カードへ切り替えられます。
年会費 | 1,375円 初年度は無料。翌年度以降は、前年度に年1回以上のカードショッピング利用があれば無料。 |
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EXTAGE(エクステージ)
エクステージは、高校生を除く満18歳から29歳までの人が申し込める若者向けのクレジットカードです。利用期間は5年間で年会費無料で利用できますが、初回カード更新時に審査のうえ一般カードへ切り替えられます
年会費 | 無料 |
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退会費 | 5年以内に退会した場合2,200円 |
ゴールドカード
ゴールドカードは、非常に特典やサービスが多く、獲得できるポイントは一般カードの2倍になるという特徴を持ちます。キャッシュカード一体型で申し込むこともでき、お財布がかさばらない親切設計です。
国内の主要空港のラウンジが無料で利用できる空港ラウンジサービスや、海外や国内で旅行中のトラブルに対応できる旅行傷害保険サービスなどが付いています
カードはMasterCard、VISA、JCBから選ぶことができます。年会費は11,000円と高額ですが、条件を満たすと最大50%まで優遇されます。
年会費 | 11,000円 |
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ショッピング枠の累計利用金額 100万円~300万円未満 |
20%優遇(8,800円) |
ショッピング枠の累計利用金額 300万円以上 |
50%優遇(5,500円) |
一般カード
一般カードは、ゴールドカードほどポイントは貯まりませんが、年会費は1,375円で、キャッシュカードの一体化、旅行傷害保険サービスなどが利用可能です。
条件を満たせば年会費が無料になるので、ポイントにこだわっていないのであれば一般カードでも十分でしょう。また、U29若者向けカード更新時は自動的に一般カードへ入り替えられることになります。
年会費 | 1,375円 |
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年会費無料の条件 | ・対象となる公共料金などをJP BANKカードで支払う ・ゆうちょ銀行の給与預入を利用している ・ゆうちょ銀行の年金自動受取りを利用している ・直近1年間の買物の累計金額が30万円以上 |
キャッシング枠について
ゆうちょ銀行には、カードローンサービスが存在しません。一応、貯金担保自動貸付はあるものの、カードローンやキャッシングのような自由に利用できるサービスではありません。そのため、ゆうちょ銀行ではクレジットカードのキャッシング枠が自由に利用できる唯一の借入方法となります。
しかし、借入可能枠は最大で30万円~50万円と小さく、適用される金利も15%と決して低くはありません。そのため、利用や返済をよく考えながら、賢くカードを使っていく必要があります。
ゆうちょ銀行のクレジットカード審査
ゆうちょ銀行のクレジットカード申し込みは、WEBまたは郵便局にある申込用紙を利用して行うことができます。項目にはキャッシング枠を付帯するか選択する項目があるので、必要であれば枠を追加してもらいましょう。後々付帯させることもできますが、再度審査が必要になり、結果が出るまで数日かかるので、クレジットカード作成と同時に付帯させることをおすすめします。
必要項目に記入して提出したら、今度は審査が行われます。ゆうちょ銀行で提供されているクレジットカード会社はマスターカード、VISA、JCBとなっており、それぞれのクレジットカード会社で審査基準が異なります。
また、個人信用情報も確認されます。過去にカードローンやクレジットカードなどの金融商品を利用していて問題を起こしていると審査に通過しない可能性があるので、不安な人は信用情報機関で確認しましょう。
ゆうちょ銀行が終了した貸付サービス
ゆうちょ銀行カードローン「したく」
国債等担保自動貸付け
財産形成貯金担保貸付け
これら3つのサービスは現在、新規申込は終了しており、利用することはできません。
郵便局の貸付サービスの利便性はあまり高くない
現在、ゆうちょ銀行で利用できる貸付は、「貯金担保自動貸付」と「クレジットカードのキャッシング枠」だけです。
貯金担保自動貸付は、自由に借り入れできるものではありません。クレジットカードのキャッシング枠は自由に引き出すことができますが、利用できる枠はあまり大きくなく金利もそこそこな設定です。増枠してもらうにも枠の上限が50万円なので、それ以上融資してもらうことはできません。
ゆうちょ銀行の貸し付けは、利便性に乏しいというデメリットがあるので、高額融資や低金利商品を求める場合は、銀行カードローンや消費者金融を利用した方が良いでしょう。